梅づくりについて ABOUT UME
梅がある暮らし
年が明けてすぐの梅の開花から年末の剪定作業まで、ほぼ一年を通して梅しごとは続きます。ほぼ毎日、畑に足を運んで梅の様子を見て今するべきことを見極めて作業しているので家族同然です。そんな坂本家の梅づくりの1年をご紹介します。
梅干し屋坂本くにゆきの梅しごと
初春、寒さの中で梅の花の開花。
梅の開花は早く、年が明けると少しずつ開き始め、2月頃に満開を迎えます。畑が花で一面真っ白になって、毎年見慣れているはずの私たち梅農家も魅せられます。また花のいい香りが漂い、天気のいい日にはミツバチが飛び交います。ミツバチは梅の結実に必要な受粉作業をしてくれるので、この時期には養蜂家さんから巣箱をお借りして畑に置いているのです。
花が散り、梅の実がつき始める。
梅の花が散り、小さな実が顔を出してきます。そして春は新緑の季節。樹に活力がみなぎって枝葉がぐんぐんと成長します。それにつれて果実もどんどん大きくなっていきます。
収穫を前に青いネットを敷き詰める。
我が家で梅干しに漬け込む梅は、自然落果するまで樹上で良く熟したものです。これを収穫ネットで受けて拾い集め、梅漬けを行います。そのために、収穫前にネットを畑に敷き詰めます。そのおかげで、柔らかく良質の梅干しに仕上がります。
梅の実が赤く色づき、収穫の始まり。
梅雨はその名の通り、梅の収穫の季節。果実が光沢をおびはじめ、いい香りが漂います。南高梅は日光の当たる部分に紅色がさすのが特徴で、美しさが際立ちます。(写真はわたしの母です)
梅の実が黄色く完熟しはじめる。
梅の実を樹上で完熟させます。
落下した完熟梅を拾って収穫する。
我が家で梅干しに漬け込む梅は、自然落果するまで樹上で良く熟したものです。これを収穫ネットで受けて拾い集め、梅漬けを行います。
これにより、柔らかく良質の梅干しに仕上がります。
梅の実と粗塩を交互に漬ける。
収穫したその日のうちに選果機を使って大きさごとに選別し、梅漬け用タンクに漬け込みます。同時に粗塩をまぶします。梅の実と粗塩を漬け込み、タンクが一杯になったところです。「盛り塩」と言って、上にはより多くの塩を盛るようにのせます。このころには塩によって南高梅の果汁が引き出され、「梅酢」となってタンクの上部まで上がってきています。
梅を天日干しする。
梅雨が明けた7月下旬から梅干し作業が始まります。梅干し用のビニールハウス内で天日干しをします。タンクからあげたばかりの時は黄色だった梅の実はこんがりと小麦色(?)に焼けてきます。
片面を干して裏返し、反対側も太陽の光でこんがりと干します。天気や実の大きさにもよりますが、およそ3日くらいで適度に干し上がり、ついに「梅干し」となります。
その後は倉庫内に取り込み、傷や硬さなどで仕分けをしながらタルに詰めていきます。
剪定作業。
秋から冬にかけて、木枯らしが吹き始めると梅の樹は落葉します。落葉してしまった梅畑は、冷たい風とあいまって余計に寂しく感じます。しかし年末が近づくと蕾が少しずつ膨らんでくるのが分かります。開花はもうすぐです。梅の作業はせん定が中心です。